天風の彩王〈上〉―藤原不比等 (講談社文庫)



天風の彩王〈上〉―藤原不比等 (講談社文庫)
天風の彩王〈上〉―藤原不比等 (講談社文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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不世出の天才を描く一大絵巻物

副題の通り、藤原不比等の伝記である。現在では、7世紀の中頃から500年間余りの歴史の設計図を書いたのは藤原鎌足・不比等の親子だったのは常識となっている。しかし、不比等は自分の姿を歴史の表舞台に出す事を嫌ったので、その正体は曖昧模糊としている。本作も作者の想像力に依る所が大きい。

物語は鎌足の死後、不比等が幼少の頃から始まる。この時、不比等は難しい立場にいた。父鎌足が天智天皇の懐刀だったのに、今やその仇敵天武天皇の治世だからである。しかし、幼いながら智恵と忍耐で人脈を拡げる工夫を凝らす等、我慢の時を過ごす。そして、天武天皇の死後、うまく持統天皇に取り入り、また後宮に影響力を持つ三千代を妻に迎える等、世渡りの巧みさを見せる。そして、持ち前の天賦の才で政治力を発揮し、周囲に実力を見せ付ける。持統天皇の皇子の死に当たって、後継者問題で持統天皇がピンチに陥った時には、鎌足譲りの策謀を使って見事に期待に応える。そして持統天皇の信頼を勝ち取り、以後政治は不比等の独壇場となる。

駆け足で概略を述べたが、外国の歴史家も天才政治家と褒め称えた藤原不比等の生涯を想像力豊かに描き出した一大絵巻物語。
頭脳明晰・・野心家の史(ふひと)

生まれ持った知恵と強運で、成功の人生を翔け抜けた史。上巻では、忍耐と野心を心に張り巡らし、政界の王者になるべく内面的な礎を築いた少年期を描いている。



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