入門書として、よいのでは。
私は、司馬さんの本から幕末に興味を持ち、明治の歴史に移ってきた者ですが、司馬さんの陸軍に対する点の辛さ、少々偏見のある書き方よりは、こちらの方が実情に近いのではないかという気がしました。人間味があるというか、親しみは持てます。だんだんと「203高地」自体を知らない世代がふえていく中で、いい入門書になるのではと思います。「天辺の椅子」、要するに「総理大臣の椅子」は必死で手を伸ばさなければ届かないというあたり、現在の世襲第1号の総理の仏頂面を見ると感慨深いものがありますね。
"小説"にしなくても・・・
日露戦争後、満州問題をめぐって
伊藤と児玉が対立する。
「満州経営の上からすれば・・・」
源太郎が言うと、伊藤が揚足をとった。
"揚足"なのか?? 最重要な部分なんだけど
著者の理解を超えていたらしい・・・。
わざわざ"小説"にしなくても、すごくドラマチックで
重要な場面なんだけどなあ・・・。
他の関連本との併読が必要
著者は「私は公平な観点から書いてます。」という書き方を前面に押し出しているが、端々に「日本が全て悪かった。」、「日本は侵略の意図を明治の初期から持っており、着々と準備を進めていった。」といったような表現が出ており、現在では化石的とも言える左翼思想が根底に流れている作品である。熊本城放火を児玉がやったものと決めつけていること等疑問な部分は多々あるものの、児玉源太郎本人に関しては、よく調べて書いているようである。しかしながら、児玉を取り巻く世界情勢や日本政府の状況、周囲の人々等に関する著者の認識は上記思想に基づいているため疑問な部分が多い。したがって著者がそれらの認識に基づいて記している児玉の考えや言動等についても多分に著者の考えに都合の良い表現がされている。本書を読んで児玉源太郎についてよく理解できたという感想をお持ちの方もおられるようであるが、本当に児玉源太郎や明治という時代を理解したいのなら、本書とは別の関連本を併せて読むことを強くお勧めする。
やっと理解できた感じ
正直、児玉源太郎という人の背景は、今までよくわからなかった。長州閥の恩恵で閣下になったのか?にしては乃木あたりと比べて恵まれない 境遇だったように見える。その差の原因って何? 山県と仲がよかったというが(坂の上の雲)、長州閥どころか陸軍の体面 すら飛び越えるような思考の持ち主が山県と反りがあったのだろうか? 山県ってそんなに鷹揚な人だっけ? 全て、この本で氷解しました。今までより児玉という人が好きに なりました。かつて、日本軍にもこんな人がいたのです。
これが児玉源太郎か
と親しみに近い感慨を抱きました。児玉源太郎といえば『二百三高地』で丹波哲郎が演じたイメージしか無かったんですが萩藩の支藩としての徳山藩の下級藩士の子として生まれ山田顕義に目をかけられながらも寺内正毅、乃木希典の後塵をはいし、西南戦争で乃木が軍旗を奪われた責任を熊本鎮台の参謀としてとらされ散々な目にあわされながら名指揮官、名参謀としての頭角を現してくるストーリー展開は好感が持てます。
文藝春秋
秋山好古―明治陸軍屈指の名将 (PHP文庫) 秋山真之―伝説の名参謀 (PHP文庫) 明石元二郎―日露戦争を勝利に導いた「奇略の参謀」 (PHP文庫) 史論 児玉源太郎―明治日本を背負った男 「坂の上の雲」を101倍堪能する 日露戦争明治人物烈伝
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