映像は良いのだけれど・・
ドミンゴが主演している歌劇「オテロ」の映像はかなりな数にのぼりますが、このDVDは映画のようになっていて、映像が綺麗です。演出はゼフィレッリという事もあり、当時のキプロス島の情景や人々の衣装等、細部にまでこだわりを感じますし、見ている人達を当時の世界へ引き込む魅力と迫力があります。また、デズデーモナ役のリッチャレッリは色白の金髪で、大変美しく、清純な印象を受けます。 しかし、第2幕最後や「柳の歌」等、所々で音楽がカットされているので、「オテロ」の音楽がお好きな方は、一瞬「あれっ?」と思われるはずです。それに違和感がなければ快くこの映像を見れると思います。また、そんなに音質は良くないように思います。 貴重だなぁと思う事は、第1幕の宴会の踊りの音楽です。ここの音楽は実際の舞台では省略されることが多く、私もこの映像で初めて聴きました。これだけでもかなり価値があると思います。
リッチャレリの美しさに、ただただ号泣!
10年待った甲斐があった、生きてて良かった、と思わせる1枚で、何となく手持ちぶさたを紛らすために買ってしまうDVDが多い昨今、これは「無人島の1枚」となりうる。美麗な映像、盤石の演出、気鋭の俳優陣を揃え、満を持しての映画形式を採りながら、主役3人は歌手をそのまま出演させる、という異色の作品である。が、そのすべてが信じられないような高みで見事に調和しているのは、さすがゼッフィレッリ、と唸りざるを得ない。 ドミンゴのオテロが見事なのは言わずもがなであるが、しかしとりわけ心を動かされるのは、リッチャレッリのデズデモナだ。その実年齢は置いておいても(笑)、少女の可憐さをなんと見事に表現していることか!それは彼女独特のコケティッシュな歌唱だけでなく演技においても同様で、チョットした仕草や表情に、抱きしめたいほどの乙女の純粋可憐さを見せる。それは、超一流のギャルゲーにも通じる独特の世界観で(事実、超一流のギャルゲーは巷に溢れる似非純文学を遙かに凌駕する世界を描出する)、観るものを切なくさせる。エンディングに至っては、ただただ号泣するばかり。 この主役2人と較べると、ディアズのイアーゴは決して悪くはないものの凡庸な出来。しかし較べること自体が酷か。 作品全体として俯瞰しても、その映像の夢幻的な美しさ、ショットのテイキングやカメラワークの切れ味、心理描写の巧みさ、どれをとっても超一流の出来映えで、まさに非の打ち所がない。1度観たら次はいつ観るのかわからないようなDVDが増えてゆくなか、この作品だけは常に座右に置いて、大切な宝として慈しみたくなるような、珠玉の1枚である。
紀伊國屋書店
ヴェルディ:歌劇《オテロ》 [DVD] 世界3大テノール’94 夢の競演 [DVD] 3大テノール・イン・パリ 1998 [DVD] ビゼー:歌劇「カルメン」 [DVD] プッチーニ 歌劇《マノン・レスコー》全曲 [DVD]
|