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ベルリンの瞬間
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アカデミックで濃密な散文作品
1998年5月から翌年5月までの一年間、ベルリンに滞在した折のさまざまなエピソードを、日記のような形式で綴った、濃密な散文作品。
言語の異なる土地での生活にまつわるあれこれから、カフカを思い、ベンヤミンの足跡をたどり…。詩人の言葉を追ううちに、ベルリンという都市の稀有な姿が、克明に浮かび上がってきます。
そもそも、わたしはこの本に登場する多くの作家、評論家、芸術家たちを知らず、カフカも読んだことがなければ、 ベンヤミン、パウル・ツェランの名前に至っては、この作品ではじめて耳にした、というレベルの読者です。
さてわたしのような読者が、芸術論や詩論、都市論さえまじえて語られるベルリンの一年を、楽しむことができたのでしょうか?
もちろん、とても楽しい読書体験でした。
読み始めたときはとっつきにくい感じもしたのですが、この本の言葉のリズムに慣れていくと、アカデミックな話題もむしろ快く、文学や芸術が善きものに思われてくるのです。
読み手が知らないことも、ほんとうに面白く語り聞かせてくれる。だからわたしは、平出氏の散文作品を好きだと思うのかもしれません。
集英社
ウィリアム・ブレイクのバット 猫の客 平出隆詩集 (現代詩文庫) エクソフォニー-母語の外へ出る旅- 多方通行路 (le livre de luciole)
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