三国志〈7の巻〉諸王の星



三国志〈7の巻〉諸王の星
三国志〈7の巻〉諸王の星

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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王覇論議は無用

13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。

これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。

いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。

しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。

吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。
燃ゆる長江

 燃ゆる長江。迫りくる赤い悪魔。
 後世にまで残る一大決戦、赤壁の巻です。

 主役は周瑜。吉川三国志では、周瑜は完全に孔明のあて馬になってしまっていますが、北方三国志では、赤壁の勝利は周瑜のものです。
 そして、吉川三国志の「功なき関羽」がない代わりに、虎痴と曹操の、比類なき忠誠と絶対の信頼関係が泣かせます。
 「私を生きて江陵へ連れて行け」
 「身に代えて」
 多くを語る必要のない主従。劉備のように友は持たない曹操ですが、それに匹敵する絆ではないでしょうか。

 この赤壁では、孔明はあまり活躍しません。「なに事も一人でなせるほど人間は大きくはない」。劉備の口を通して語られた、北方三国志を貫く一本の芯のように思います。


三国志の見せ場。

三国志最大の見せ場といっても過言ではない、赤壁の合戦がメインに描かれています。
戦いの内容自体は、既存の三国志小説とほぼ差がなく、史実に基づいて書かれています。
そりゃそうですよね、三国志の小説は何人もの作家さんが挑戦されているし、歴史はひとつしかないのですから。
しかし、そこに至るまでの(特に合戦前夜の)登場人物の心情の動き、

細やかな描写は秀逸です。様々な三国志小説を読みましたが、こんなのはなかった。そこがいちばん知りたかったのかもしれない、そう思いました。
大戦への序曲

ここまで読んだ方なら、これからは眠れぬ夜が続くでしょう。秋(とき)は熟した。男のロマン、誇りと誇りの戦い。北方三国志の真骨頂炸裂!!
大戦への序曲

ここまで読んだ方なら、これからは眠れぬ夜が続くでしょう。秋(とき)は熟した。男のロマン、誇りと誇りの戦い。北方三国志の真骨頂炸裂!!



角川春樹事務所
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