日本人の惰眠を醒ます本です
つとに「歴史を学ぶのではなく 歴史に学べ」と言い続け、常識的な視点を廃して、逆説的な発言で日本歴史を語ってきた筆者が、日本の古代から始まって、中世・近世・近代そして現代に分け、例によって歯に衣着せぬ井沢節を駆使してそれぞれの時代を画する事件やトピックを取り上げ、快刀乱麻を断つ勢いで集中的に語った一冊である。 筆者はまず序章で「なぜ教科書では歴史がわからないのか」として、日本歴史学の原型は、明治維新の際ドイツ人の歴史学者ルートビット・リースによって導入された、当時主流のランケ史学という実証主義による手法であって、それをいまだに踏襲しているところにあると指摘する。 筆者は、玉石混淆の史料の中から真偽を見抜いて記述していくという実証的史学では「推理・推論を限りなく排除していくため、決して生きた歴史を掴み取ることが出来ないのだ」とした上で、たとえば古代では聖徳太子の一七条憲法の新解釈から始まって、中世の朝幕併存の謎、近世の信長・秀吉・家康という三人の英雄の果たした役割へと続く。 そうした一連のテーマから、今までの歴史に隠された、あるいはあえて触れられなかった真相に迫ることで、あらたに「生きた歴史のあり方」を示し、われわれが歴史から学ぶすべを、またなにを学ぶべきかを教えてくれる。 終章では、言霊という亡霊に左右されて本質を見誤ったり、自己主張は「悪」だと考えたり、「和」を尊重するあまり一〇人中一人が反対しても物事が決められないなど、日本人特有のメンタリティに触れ、そうしたメンタリティを改造しなければ、海外との付き合いや競争には勝ち残れないと警告している。 各章にはまだまだ魅力的なテーマがぎっしり詰まっているが、詳しくは本書を手にして各自ご確認いただきたい。
日本史が通史としてわかります。
この本で日本史が勉強できます。 自分の歴史の基盤にしてもいい、と思うくらいです。なかなか歴史を書いてくれる作家の方も日本通史として1冊の本を書きあげてくれることがそうありません。 もちろん、794ウグイス平安京といったような、年号を覚えるといった意味ないじゃん的なツマラナイ日本史では、もちろんありません。 私は武士の発生についてオモシロイ!!と思いました。 征夷大将軍っていう役職は、蝦夷っていうのを征伐する大将だったんですね。 そして、北海道以外を征伐し終わったら、平和になっちゃって、中国の律令国家をまねて制度を取り入れていた日本なわけです。 でもでも、平安中期になると、兵部省とか刑部省といった現在の防衛庁の役割をするところが軍隊廃止してしまったんですよ。 なぜか?っていうと、日本人特有の【穢れ】というものが影響している、と著者は言っているんです。 【穢れ】というものが日本人にはあり、特に、死にかかわるものは最大級の穢れらしいのです。 著者は、この【穢れ】というものについて著作を残してますので、それを参照にしてください。 んで、【穢れ】に関わってもいいですよー。 という人がいることはいたわけですね。 それが武士になっていくらしいんです。 もう1つは荘園から武士が出てきた、という話があります。 それで、朝廷と幕府が一緒に政治を行う、朝幕並存になったというのです。 なるほど、って思います。
なかなか!
著者のいう「結果が原因を生み、それがまた結果を生む。歴史は点と点の繋がりで見なければならない」のとおり面白く歴史の繋がりがよくわかる本。 特に「17条憲法からの日本史全体を支配している原理」とか、「なぜぺりーが居丈高に開国を求めたのか。」等はとても興味深く読むことができました。 特定の時代だけでなく幅広く日本史全体に触れられているのも良いと思う。また、異なるテーマを読んでみたいそんな気にさせられた本です。
論理的な類推で構築する斬新な日本史の全体像
井沢日本史は異端である。それ故に面白く、思っても見なかった歴史的意義を力業で引っ張り出してくる。 井沢元彦は、これまでの伝統的な歴史研究の方法である「史料絶対主義」に疑義を呈する。「史料絶対主義」とは証拠となる史料がなければ信じないという研究方法だ。井沢日本史はそれとは異なり、証拠と証拠の間を論理的な類推によって繋いでいく。 井沢日本史のキーワードはいくつかある。「言霊(ことだま)」がその代表例である。言葉は霊力を持っているから、みだりに使うべきではないという考え方で、縁起の悪いことは言わないし、書かない。信仰にも似たこの考え方により、将軍家の病気を「ご歓楽」と言い換えたりする。史料にはこのような言い換えがなされていることがあり、それをどのように読み解くかで歴史の解釈が違ってくる。 本書で著者は、17条憲法からシベリア抑留までの歴史の実証研究の落とし穴を独特の視点でえぐり出し、大胆に考察を加えている。17条憲法及び武士の発生に関する考察は、とりわけ斬新であり、今の日本のかたちをつくる一つの要因になったことが浮き彫りにされている。
よい本
高い値段で購入を決心するまでに1ヶ月かかりましたが、非常におもしろく読みました。宣伝文句にある「目からウロコ」というほどではないけど、日本史全般というよりも、ポイントを当ててそこを分かりやすく他との繋がりを説明しながらなので、歴史の流れとしてよくわかる。学生のときに、このように受験の対象としてだけでなくて、歴史を面白く学ぶという姿勢で勉強してればよかったなあと反省しました。ただ井沢氏だけあって、やはり中国や韓国との関係に、けっこう重点があてられていたのはさすがです。日本をもっと知りたいと感じました。
祥伝社
ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 宗教紛争はなぜ終わらないのか 仏教・神道・儒教集中講座 逆説のニッポン歴史観―日本をダメにした「戦後民主主義」の正体 (小学館文庫) 英傑の日本史―新撰組・幕末編 逆説のアジア史紀行
|